August 24, 2004

文章による表現

小論文でもなく、自己PR文章でもない、
「志望理由書」と言うものを指導する機会が これまで100人近くあった.

プレゼンテーションの基礎だと思えることが、たくさんある.
元々 現代文という国語の科目に 憧れと期待を持ち続けていた方なのだが
あれを制覇すると、魅力的な文章は まず書けるようになる.


そもそも文章なんてものは、
ある程度の思い入れのある内容であれば、ある程度の域まで書けるし、
ある程度の印象を与えることができるもんだと感じる.

1.文章構成

ただ、基本的に「人に印象を与えやすい構成」と言うのがあるのも事実.
例えば、
1.主題
2.きっかけ、元になる体験
3.そもそも主題の理由と説明、根拠
4.将来、影響

という4部構成.
これにもちょっといじることで、抜群に印象を残せるようになったりする.
例えば、4の簡略版→2→1→3→4としたりすると印象が変わる.工夫は内容によりけりだが.

まぁ、文章構成で魅力的な文章を作るだなんて、基礎の基礎.


2.具体的記述

次によく注意するのは、「漠然とした語句」.

「それ」「そのような」なんてのは論外だが、「多角的」とか「多様」「いろいろな」なんてのも
全然だめ.
一瞬 美しい表現な気もするけれど、
繰り返し読んでみると覚悟のないやつが使ってるように見えてくる.
「みんな」って何人のこと?誰のこと?
なんて話は良く聞くけれど、
「いろいろ」って何?「広い視野」って何?「たくさんの分野」って何?
って聞かれて答えられなければ、あなたは甘い.言葉に逃げてるね.
答えられる人は、「○○や~~のような たくさんの分野」と書いたほうが
断然活き活きするし、読み手に伝わる.
もっと言えば、その「○○や~~のような」に さらに修飾できれば活きてくる.
「例えば・・・の時の○○や、一方□□□であるの~~のような」
やりすぎるとくどいと思われがちだけど、
最後に無駄な表現は削るので はじめの修飾しすぎは問題なし.


3.文頭と締め

「文頭」と「締め」と書いたが、文頭と文末でないところがポイント.
始まりは まさに文「頭」が重要であり、
終わりは 「締める全体」が問題.

始まりの1段落が いい だけでは、インパクトは少ない.
本当に本当の1行目、いや1語目、一文字目からが勝負.
不慣れな人は カギカッコ から始める人が多いね.
(よく小学生で作文の優秀賞は決まって このタイプ)

いや、もうちょっと高度になれば、何の語を持ってくるか、漢字にするかカタカナにするか、
はたまた接続詞からはじめてしまうか・・・、そこまでこだわりたい.

終わりの部分は、文章全体、段落全体の問題.
最後のひと塊を どう読ませるか.
ひらがなを多くすれば、やわらかく、ゆっくりとした印象を与えられるし、
漢字を多くすれば 力強くスマート.
どのくらい 句読点を使うかも問題.
自分の印象を決める 重要な部分.


4.重複

特に、物事の説明や詳細を記述している時に多いのだが、
結局同じこと・状況を2度言い直していることがある.
十中八九 削るべき.
うまーく 一つにできるようにまとめる.

そもそも、同じ表現のタイミングが複数あるなんて、
文章全体の 論理的構造がおかしい場合がほとんど.
一つにしても伝わることが多い.

ただ、残りの1割以下の確立で 同じことを言い換えて2度表現するほうが良い時もある.
もちろんそれは、意味あって印象をつけたい時.振り返らせたい時.


5.キーワード

書く文章のキーワードを自分の中で 理解して文章を書いていくことが大切.
キーワードは言い換えられるなら一つだけじゃなくてもいい.
例えば「心理面」と「精神面」や「心持」は似たような言葉として使える.

そういった 自分のテーマとなる語句をうまく
重要なところにちりばめる.
深く読んでほしい段落には多めに入れる.


6.精選

当たり前のことだが、表現は選べと言うこと.
何もかも「思った」「思った」「思った」が続くなんて論外.
だらだら小学生でも知っている単語の並んだ文章もだめ.

一人称にするのか、客観的文章にするのか 書き換えるだけでも変わる.
文法的な組み換えでも変わる.


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【詳しくは書かないが、他に重要になる要素】
 ・ひらがな、カタカナ、漢字の使い分け
 ・ひらがな、カタカナ、漢字の分量
 ・句読点の入れ方
 ・句読点を使うか、カンマ・ピリオドを使うか、空白を使うか、全く使わないか
 ・段落の長さ
 ・接続詞を効果的に使う
 ・自信を表すか、謙虚さを表すかのバランス


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ちなみに、書く時に表現の印象付けるポイントがあるように、
読む時に 筆者の深層心理を見抜くポイントもある.これはまた今度.

投稿者 Rie KAWANO : 01:18 AM | コメント (0) | トラックバック (3)
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January 20, 2004

練習方法

プレゼンテーションで、私ははじめから全文は記述しない.
基本的に、レジュメ・スライドから作成し、
それを元に キーワードの流れだけを記述したものを作る.
(よく考えると、これ、高校時代
 私の大嫌いな世界史のテスト勉強をするときの手法)

キーワードをどんどん少なくしていって、
流れで覚えていく.
(完璧な全体文は作っていないため、毎回微妙に違う.
 もちろん、本番も雰囲気で言い方を変えたりする.)
ただ、絶対言わなきゃならない重要な語句だけの流れをメモる.

最終的に それだけをカンペにして、持つ.→本番.

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投稿者 Rie KAWANO : 11:22 AM | コメント (0) | トラックバック (0)
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January 13, 2004

この学校の意味

慶應義塾から、来年の「大学入学案内」に 文章と写真を載せてほしいとの依頼が
来たので(12月上旬に・・・)、ここに ドラフトを載せることに.
ちなみに、400字以上.

投稿者 Rie KAWANO : 12:28 PM | コメント (0) | トラックバック (0)
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