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August 04, 2005

「情報」の価格設定、マージンの正常均衡点として

iTMSが日本にも上陸しましたね.
たくさんのニュースやblogがこのネタを今日は取り上げているだろうけれど、
ここ数日 AppleのiTunes周辺のやりくりを調べていた者として、
僭越ながら感じることを少々.


iTMSは儲かっているのか?

そういう問いに対して、ちょっとぐぐるだけで
「トントン」とか「わずかながら黒字に」なんて文句が検索されると思う.

それとともに、
「iTMSがiPodの売り上げを引き上げている」
という文句も目に留まるだろう.


この記事を見てほしいのだがiPod shuffleは3-4割の利益率を誇っているとのこと.
まー、前回 あんな記事を書いちゃったわけだが(笑)、
そのままズバリの原価率ですね.
(SamsungにOEMで出してるから情報が漏れたのかしらって 噂)

そりゃ、数が出るほど儲かってしゃーないわけだ.


で、次に iTMSの収益構造がどうなっているのか、ということ.
なかなか情報は出てこなかったんだけど、
最終的に行き着いた情報がここ


99セントの内訳

レーベルへ62セント
製作者へ8セント
ビジネスコストで26セント
残り利益が3セント・・・ってところなのか.

iTMS.gif


ここのビジネスコストに どこまでの費用が入っていくのか解からないけれど、
3%の利益は妥当なマージンか?と言われると ちょっと厳しいよな.
その分 4割も取れるiPodで稼いでますから・・・って言われるとそうなんだけど.


いやいや、それじゃ話は終わらない.


iPodとiTMS、及びiTunesというソフトも含めて「Apple's Music Business」と言ってしまえばそれまで.
ビジネス主体としてはそうやって補完的にでも 利益が出せるなら素晴らしいこと.
うまく 増幅効果を起こす点を押さえているわけだが、

iPodの余剰利益を iTMSに流して援助してるんだよね.
援助までは言いすぎだけど、iPodの広告塔として 広告費を払っているみたいなもんかと.

これって、単体(音楽自体とソフト自体とハード自体)を売っている会社から考えると
裕福な企業が、「消費者のためだ!」と言い切って、
原価割れの値段で商品を出して、マーケットをぶっ壊すのと
二アリーイコールに感じる企業も居るだろうな.


そう考えると、
 取るべきマージンの率ってのは、
 単純に (他の同じ商品があると仮定すれば)
 そのものの付加価値度・消費者満足度の比 だけじゃなくて、
 それが影響を与える先の価値分も指標に入れるわけで、
 どのくらいの割合でそれぞれを振るのか とかって、
 また商品の種類によって違うんだろうけど・・・
って無限ループに入るところだった ( ゚д゚)ハッ!


いやとりあえずだ、同じものを売ったとき
正常に市場が機能をする価格設定
ってのは必要なんじゃないかなって思うわけ.

しかし、これだけエントリーの少ないblogで Appleネタが2回もあるなんて、
やっぱりかなり 飛びぬけてる 企業なんだろうな.

投稿者 Rie KAWANO : 11:40 PM | コメント (0) | トラックバック (1)
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