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November 10, 2004

選手のあとの職業は・・・?

10月に発刊されることになった「図解雑学スポーツの科学」でも 私の執筆した7章で書いたのだが、日本スポーツ界の大きな問題の一つに“スポーツトランスファー”があると思う.
実際、日本で無くとも どこの国の選手でも存在する「転機」というものであるが、日本では少し状況が違うのではないか と思うのだ.

9月3日付の日本経済新聞のスポーツ欄に 元ボクシングの川島選手がコラムを書いている.実に自然で、実に共感できる内容なのだが、こういった考えを持っている(持ちながら体験している)日本選手は少ないように思う.
川島選手の書いていた内容はこんなものである.

 選手時代、ずっとアルバイトをしながらトレーニングに励んでいた.
 それが当然だと思っていた.
 世界戦の前にも「やめさせてくれ」とは言えず、「休ませてくれ」としか言えなかった.負ければまた生活の糧がなくなるからである.
 しかしそれはマイナスではなく、効用のほうが多かった.

選手寿命は、せいぜい一生の寿命のうちの3~5分の1程度だろう.しかしながら、選手(とりわけ幼い頃から養成コースを歩んできた選手)は、学生時代は「試合ではどんどん上位を狙え」と教えられ、「プロを目指せ」と教えられる.いざスポーツを職業にしたときにも「日本一になれ」「世界一になれ」と指導されてくるのである.

しかし、
選手引退後の その選手の進む方向について指導されたことの有る人間はどれだけいるのだろうか?

多くのスポーツ選手(得にトップまで上り詰められないが、プロ並に活躍していた選手)は、選手引退後 自分のしたいことへの進路を取れていないような気がする.私の周囲にいた選手は、「引退してもスポーツに関わりたい」と言うが、実際は・・・.

引退後にどういう生活が待っているのか、
どういって切り開いていくべきなのか、切り開くために選手時代もトレーニングと並行して学んでおくべきことは何なのか、
そういうことをきちんと選手が学ぶことの出来る場は必要なのではないだろうか?


(最終更新2002/09/16/Mon/02:31:10)

投稿者 Rie KAWANO : 05:03 AM | コメント (0) | トラックバック (0)
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