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November 10, 2004

文化とは何なのだ?

最近「スポーツ文化」という語句を良く聞くようになったように思う.

かく言う私も この法人の立ち上げ準備をしていた3-4年前は、必死になって「スポーツ文化」を追っていた.
何冊も何冊も「文化」についての本を読んだ.芸術文化、福祉文化、文化政策、文化学、とにかく文化とは何なのか追いかけた.
私なりの答えは“生活と密着していること”すなわち『生活習慣』こそが文化である と行き着いた.

晴れて、スポーツ文化という語句を振り回す(?)ことになった私だが、この業界の各方面の人たちと話す中から「わかりにくい」「漠然としすぎている」という助言を頂いた.
そりゃそうだ、私もあれだけ本を読んでやっと自分に納得できたのに.
ということで、ストレートに私は「スポーツを生活習慣に」と言ってきたわけだ.


で、冒頭にも書いたように このスポーツ文化という語句が良く使われるようになった背景には、スポーツ団体が増えた影響もあるかもしれない.
多くのスポーツ団体は「スポーツ文化」の確立に頑張っている.
うちの組織もその一つだろう.

しかし、ここで考えてもらいたいのは、
  スポーツ文化の確立=スポーツの機会を増やす
ことなのだろうか?と言うことだ.

近頃のスポーツ参加者は増えている.年間に1度でもスポーツをした人は確かに増えている.国の政策としてどんどん 場所・施設を増やしている今、単純にスポーツする人が増えるのは、至極適切な出来事であろう.
なのに、1週間に1度以上定期的な運動をする人はそれほど増えていないのだ.人口が増え、施設が増え、スポーツ機会が増えても、文化的で社会的な動向は 変化がつかめない.

ただ単に、スポーツ大会・運動教室を増やすことでは、根本原因が掴みきれていないのではないだろうか.
それ以上の何か働きかけがあって初めて、文化になるのではないだろうか?

無かったところに、新しいもの(文化)を作り上げるとしたら、
それ相当の「しくみ」を作る必要があろう.
スポーツをみんながすることが必要だ と言ってストレートに スポーツをする機会だけ提供するだけでなく、
もっと根底に流れる 社会的・経済的・心理的な方向性を変えていく必要があろう.

私は今、その「しくみ」のパーツを作ろうとしているわけだ.
多くの人に、解ってもらい、協力してもらいたいと切に願っている.


(最終更新2002/10/08/Tue/04:15:15)

投稿者 Rie KAWANO : 05:01 AM | コメント (0) | トラックバック (0)
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