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June 08, 2004

ニーズに合わせるプライシング

価格設定といえば、
・原価コストにマージンをプラスしたものから設定するもの
・ニーズに合わせた価格設定にするもの
があるわけだが.
本音のところ、どっちも大幅に欠けることは出来ない要素.


スキミングプライシング(早期回収)を 事業創業期には勧める場合が多いけれど、
なかなかそういう リスクをとらない手法は、安全策ではあるがうまくいかないよな.
もう既に売れ筋商品を持っていて知名度のある会社のプロダクトならともかく、
完全なる新規参入でそれをやってしまうのは、安全だがスピードが無いだろうなぁ.

ペネトレーションプライシングは 「低価格で浸透させることを目的とする」価格設定と
記述されていることが多いのだが、(株式会社グロービス(1998):『MBAビジネスプラン』 参照)
“低価格という定義は、スキミングプライシングと比較して”という 前置きがある話.
冒頭で書いたように「ニーズに適正」で「顧客が求めやすい」のが 浸透する価格設定
と捉えても良いだろう.


で、だ.今回は 安全策の「スキミング」と 博打で一歩間違えればcheap and nasty になりえる「ペネトレーション」を比較してみる.

スキミングプライシング
ペネトレーションプライシング
たくさん売れたとき
おいしいじゃん 普通だね
たくさん売れなかったとき
コスト分は回収できる可能性が高い コストも回収できない可能性が高い
売れない理由
顧客ニーズより高すぎる? モノが駄目?
売れなかった後
早期に撤退可能、もしくは価格を下げて再度挑戦 撤退するか、モノ・売り方の改善を迫られる
総合評価
保険要素が高く、リトライがしやすい モノのよさに左右される、事業の意思決定回転スピードは速い

私の取り組んでいるの事業性上、
情報価値を高めるために 無償からの価格引き上げを意識しているので
当然「早期回収」の意味以上に、価格設定は意図的に高めたいところだが、
あえて 適正価格で狙う.


で、次に 適正価格の設定

これが 新規事業だと考えにくい.
まぁ、一番頼れるのは「人の感覚」でしょう.
自分や周囲の人たちにプロダクトを説明し、適当な価格帯の範囲の印象を聞いてみる.
500~1000円だったら使うか、2000~3000円でも使うか、5000円、10000円では?
まず、顧客の立場の印象を.

で、「まずいなー、その価格じゃ元が取れないよ」と思って価格を引き上げてしまうと
それは「原価コストから考えた価格設定」に過ぎなくなってしまう.
原価コストから考える理想価格と ニーズ価格の中庸をとったとしても
まだ「理想価格」でしかない.

ドンズバで「ニーズ価格」に 合わせるプロダクトに作りかえるべし.
無駄な作業が無いか、どこかでコスト削減できないか、
ニーズ価格まで削っていく.

それで削れないならば、そのプロダクトは売り出してもだめだろう.
一部のイノベーション顧客が 1度買って終わりの「一発屋」、
リピートが望めない可能性大.

投稿者 Rie KAWANO : 12:22 AM | コメント (0) | トラックバック (0)
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